インターネットで「陰口」は叩けない
これから数回に分けて、「批判の受け止め方と批判行為」について書こうと思います。
あらかじめ書いておきます。当記事は感性を否定するものではありませんが中傷を否定するものです。
まず、「批評/批判と中傷の違い」について書いておきます。簡単なことですね。根拠があるかないかです。
人間は陰口が好きなようです。当事者に知らせずに人に関する評価/感想を述べあうという行為は日常的に行われています。ただ、そういう行為全般を陰口とは呼ばないですけどね。通常、陰口とは当人に見えないところで当人の悪口を言う(中傷する)ことであり、当人に聞かれることが後ろめたいと自覚しているような話題を指します。また、特にここでは中傷に該当しない根拠を伴った評価の場合は、当人に見えないところで言っていても陰口とは呼ばないことにします。
私は、陰口は嫌いなので、基本的には当人に聞かれても堂々と対応できるようなことしか言わないように心がけています。例外は、当人の今後の思考/行動に悪影響を及ぼすような内容だが、相談しておく価値のあること、といった場合です。教育をする人の立場を想像すればご理解いただけるかと思います。もちろん中傷のつもりはないのでそれを当人に聞かれても自分は後ろめたくはありません。
さて、web 日記/blog などは「公開日記」であるわけですが、そこで他人を侮辱/中傷するようなことを書いていながら、都合よく「公開」であることの意味を忘れて「個人の日記だから何言ってもいいだろ」といったことを言ってしまう方がいます。
もちろん発言自体は自由です。
でも、内容によっては反論が発生することも必然ですし、何より反論することも自由です。
反論に応えない自由はありますが、反論するなというのはあまりにも周りが見えていない言説です。反論が欲しくないのであればインターネット上に他人への侮辱発言を「公開」してはいけません。「現実世界で普通にしゃべるのと同じくらい気楽に書くんだ」と言っている方、気をつけて下さい。
ネット上に書くということは既に陰口足り得ません。
ここで、反論には、感性/思想の違いから来るものと、事実ではない、あるいはミスリードであるといった指摘があるのですが、前者を不要と考えるのは(多少もったいないこととは思いますが)自由と思います。ここで話題にしているのは後者です。これについては反省すべきでしょう。たまに自分への批判を矮小化するために意図的に混同しようとする人がいます。
日記の中でぼそっと、集団、或いはひどい時は個人を特定できるような言い方で、状況をよく知らないで、或いはメディアの誘導に乗せられて批判を行うということがあります。その行為自体も問題ではありますが、全ての人にそれを駄目だと言うのはあまりに狭量であるとも思います。私もよく調べずに批判的情報発信を行う事もあるでしょうし、説明できない感情の表出も重要な情報だと思っていますから。ただ、批判された側あるいは客観的に見ている第三者が、その批判は間違いである、と指摘/反論することは当然のごとくあり得ます。この反論を指して「噛みつかれた」などと侮辱する人がいます。この勘違いはやめたほうがよいです。たとえ相手に通知などをしていなかったとしても、噛みついたのは自分です。また、批判が発生しないことがあるのは、その言説が正しいからとは限りません。みんな、すべての誤りを指摘して回るほど暇じゃないのです。
(追記)「同意の旨の意見はあった」という多数決論理を持ちだす人もいますが、たまたま自分と同様に専門家で無かったか、単に自分と馴れ合いたい人かもしれませんよ、と。和を保つことと馴れ合うことは違います。これはいつしか別記事にて。
この記事では個人や集団は特定しません。行為を特定しています。思い当たる人でこの主張に間違いが見当たらないと思われたなら、自戒しましょう。この記事の内容が誤りであると思ったなら、どうぞご指摘ください。
なぁんていっても、ここで書いたようなことにもろに該当する人ほど自己正当化が激しかったりするので書いてもなかなか効果がないわけですが。ならばなぜこういう記事を書くかというと、良識のある方が道を踏み外さないよう再認識してくださるという効果はあるからです。本当は自分に向けて/自己の思想の整理という意味が一番強いというのはいつも書いている通りなのですが、教条度を上げて書いてみる実験です^^;。
今「blog で簡単にホームページを」という類いのキャッチコピーに乗せられて参入してくる方は、どれくらいが「全世界に公開」の意味を解っているんでしょうね。それを知らなかった/考えられなかったことは罪では無いと思います。批判を浴びた時に気付けるのであれば。ここで問題点として、騒ぎになるほどに指摘/批判に混じって中傷が現れるのも世の常なわけですが、全てを中傷とみなす自己中心的思考はやめましょう。
ただ、人は本質的に陰口が好き(※1)なわけで、web で陰口を言える仕組み(※2)というのを考えたりしています^^;。私は使いたくないですけど。
※1:私だって、陰口が嫌いと言うのは理性で抑えているのであって、いつ無意識に陰口に該当する行為をしてしまうか解ったものじゃありません。そういうのを正してくれるコミュニティなら属したいですね~。
※2:2ch がそういう使われ方をする場と勘違いしている人が多いですが、2ch でも中傷は嫌われます(ここではネタと中傷の区別というまた難しい問題があったりしますが^^;)。ただ「根拠をうまく説明できないがこう感じる」といった正当かもしれない意見を述べるのに適しているということです。


Comments
陰口=中傷ではないと思います。陰口とは面と向かって言わない事であり根拠の有無とは関係ありません。故に匿名掲示板は陰口の場と成り得ます。
Posted by: 輪王ひろみ | 2004.04.24 at 10:52 PM
はい。辞書的「陰口」に根拠の有無が関係ないのはおっしゃるとおりで、
>*特にここでは*中傷に該当しない根拠を伴った評価の場合は、当人に見えないところで言っていても陰口とは呼ばない*ことにします*。
と書いてみましたが、「中傷に該当しない根拠を伴った評価」も悪評の場合は「悪口」ではあると考えられるわけで、そうすると、
かげぐち 2 【陰口】
その人のいない所で言う悪口。
「―を言う」「―をきく」
ですから、上記も定義上の陰口の範疇に入っているのに、むりやり定義から除外してみた、という感じです^^;。
余談ですが、私、用語の一般的な用法が辞書的定義と合致していないことも多いと思っているため、この手の話を書く時はなるべく自分流解釈を載せるように心がけています。本来使用意図を問わない(状況のみを指す)用語であっても、私が悪意で用いられることが多いと思っていたり、逆にポジティブな意味が本流であると信じているものに対しては、そういう意味に限定して用語を使用していることがあります_o_。つまり、当記事における「陰口」も、自分的には悪意を含む言葉と思っているのでより「悪」と捉えやすい状況(単なる"悪評"ではなく"中傷")に限定した、と。
あと、匿名掲示板の話ですが、実質は陰口を言うのに利用している人が多くいるわけですが、「中傷するのに適切な場」とは言いたくなかったわけです^^;。この辺は啓蒙的/誘導的だなぁと思いつつも、確信犯しております_o_。
参考:
あっこう あく― 0 3 【悪口】
(名)スル
人を悪く言うこと。また、その言葉。わるくち。
「―を浴びせる」
ちゅうしょう ―しやう 0 【中傷】
(名)スル
根拠のない悪口を言い、他人の名誉を傷つけること。
「―によって失脚する」
Posted by: Shin | 2004.04.25 at 01:02 PM