「心理学化する社会」感想2
心理学化する社会―なぜ、トラウマと癒しが求められるのかの続き、V章まで進行。
# ギリシャ数字の5が化けるよ>nifty
中盤からだんだん面白くなってきた。ただ、まるで自分の文章を読んでいるかのように主張を読み取りにくいので^^;、家庭の時間中にさらさらと読んだ範囲では正確な理解ができていないと思われ。
書籍って、(文量を稼ぐためもあるけど)一つの主調を説明するためにやたらだらだら書いちゃうのよね。この本の場合問題提起の部分が長すぎて、「結局どうだったらいいと思ってるのよ」という著者の主張がどこにあるのか、まだ解んない(書いてあるところに辿りついていない)。これを読んでおいらも、「あぁ、もっとも言いたいことをある程度早い段階で明確に伝えないとな」と再認識できました^^;。
# 自分で書いた本は技術書なので著者の主張を際だたせる必要はなかったんだけどさ。
で、だんだん見えてきた範囲で書くと、どうやら概ねこういうことらしい。
- トラウマ(過去の心の傷)を分析/公表するのがブームだが、それは傷ついた人の傷をさらにえぐっているね。
- 世間で"心のケア"と声高に叫ばれるようになってきているが、カウンセリングなどで心だけを解放しても、解決にはならないから問題だね。
- 「向上したくない人」も認めるべきだね。
- 無資格なカウンセラーの増殖はまずいね。でも不要でもないから、資格保有者に付随する「責任」効果を期待するために、資格化すべきだね。
- 精神分析なんてまったく当てにならないね。でも、専門家が不要なわけではない。専門家の知識は重要だね。
- 世間とマスコミがトラウマ話を欲しているのは、そこに娯楽性を感じてしまっているからで、無神経なことだね。そんな要求の中でコメントしなければならない「心の専門家」は不幸だね。
漏れがあるかもだけど。うーむ…。著者のスタンスが読み取りにくいので下手したら全く逆の主張であるところを読み違えている可能性すらある-_-。それが読み手の問題かは微妙だけど、よぉぉく読めてはいない私にはこんなふうに読めたわけです。
さて、私なんぞは前から「マスコミや世間が欲するものは真相ではなく話題である」と思っているし、「マスコミ/世間(この書籍も含めて)で声高に叫ばれることが真実である可能性は極めて低い」と思っているので、この本を読みはじめての印象はどうしても「建設的な意見が少ないなぁ」となってしまうんだけど、あくまで世間一般の人に対する啓蒙が目的の本みたいだし、そういう方向では価値があるのかな、位の感想、今のところ…。
もちろん、自分としても、考えさせられるテーマはいくつも提供してもらっているので、価値はあります。念のため。
# どちらかというと、文章の書き方についての方が考えさせられてるかもだけど^^;
# てか、もう少し「提案/自分の考え」も書いて欲しかった。まるで愚痴みたいだったし。
「向上したくない人」に関して。
私なんかは書籍中で記されている「ロジャース理論」に近い考え(※)を持っているので、それに対する批判である「成長しない/成長したくない人間の存在は考慮されていない」というくだりは興味深かった。ふむふむ、そりゃそうだ。むりやり成長意識を持たせる必要はないやね。
※性善説をベースとし、人は皆自力で向上していけるようになるはず、という感じ。ただ、私は非指示的であることは支持しないし、少年犯罪に対して、罰則強化が効果的と考える人間ですが。
私のスタンスとしては、「アドバイスはするけど、判断は自分でしてね」という自己責任至上主義、また、「成長しようとしない人の存在を認めるが、手を貸すという意味での甘やかしはしたくない」といったところ。
書籍で問題提起されている事に関する見解はあるけど、それはまたの機会に。
あと、「職人」という言葉の使い方に違和感を感じた。職人は「知らしむべからず、依らしむべし」という人だそうだ。職人のやることに疑問を持つな/口出しするな、と。
んー?職人だから、専門情報を教えないってことは無いと思うんだけどなぁ。職人でありたい/なりたいと思っている人の意見として。


Comments